今回は「QUOKKA JOB」という障害者雇用マッチングサービスを紹介します。
(アイキャッチの画像はQUOKKA JOBさんから拝借しました)
導入:障害者雇用について
はじめに、障害者雇用について簡単に触れておきます。
従業員が一定数以上の規模の事業主は、従業員に占める身体障害者、知的障害者、精神障害者の割合を「法的雇用率」以上にする義務があります。(障害者雇用促進法43条第1項)
ちなみに2020年11月現在、民間企業の法定雇用率は2.2%です。
障害者雇用は、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の所有者を対象にした雇用制度です。
政府が助成する障害者雇用には助成金があり、そこでは手帳を持たない統合失調症、躁うつ病(躁病、うつ病を含む)、てんかんの方も対象になります。
ハローワークや地域障害者職業センターなどの支援では、「心身の障害があるために長期にわたり職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難な方」も対象になります。
障害者雇用制度は、2018年から精神疾患のある人も対象になりました。
障害があることをわかった上で雇用されるので、配慮を受けやすくなるメリットがあります。
徐々にではありますが、だんだん裾野が広がっている印象があります。
就労支援A型、B型の違いは?
障害者雇用をするにあたって、橋渡し的な役割をするひとつが就労継続支援事業です。
「就労継続支援事業」は、通常の事業所に雇用されることが困難な障害者に対して、就労の機会の提供、生産活動その他の活動の機会の提供を通して、働くために必要な訓練を行う事業のことです。
就労継続支援にはA型とB型があって
雇用契約を結び利用するのが「就労継続支援事業A型」
雇用契約を結ばないで利用するのが「就労継続支援事業B型」になります。
ただし、A型B型でも工賃は発生します。(雇用契約が結ばれないB型のほうが工賃は低いです)
簡単にいうと、働くための準備や訓練をするところです。
ちなみに、今回紹介するQUOKKA JOBは、就労支援A型に属します。
QUOKKA JOB
具体的にはどんなことをしてくれるの?
(画像はQUOKKA JOBさんのホームページからお借りしました)
QUOKKA JOBは、就職希望者と障害者雇用を希望する企業のマッチング、勤務開始後の業務サポートを行ってくれます。
1) 面談、職場体験実習
面談や職場体験実習(3日間程度)を通して、その人に合った企業を探し、就職までのサポートをしてくれます。
2) 業務を行っていく
まずはQUOKKA JOBのワーキングスペースで、その人に合った適切なサポートを受けながら、所属企業の業務を行います。困ったときにすぐに頼れるシステムなのが良いですね。
3) 将来的には所属企業に戻る
ゆくゆくは所属企業で働けるように、少しずつ業務を覚えたり、所属企業と関係構築をしていくのもサポートをしてくれます。サポートがなくても所属会社の仲間とやりとりができるようになったら、所属会社へ巣立っていきます。
つまり、「障害者雇用で就職しても、うまくいかなかったらどうしよう」という心配を、就職から定着までサポートしますよという場所になります。
いきなりポーンと投げ出されると不安だし、どんなことが困って配慮してもらえたほうがいいのかって実際に働き出してみないとわからないこともあります。
それでうまくいかなくなって失敗体験になると、人によっては次へのチャレンジのハードルがとても高くなります。
サポートしてもらいながら、働くことを応援してもらえるシステムって大切だなと思います。
働き方ってひとつじゃないし、支援やサポートもいろいろです。
その人に合った働き方やサポートがもっと広がるといいなと思います。
関連情報
▽今回紹介したQUOKKA JOBのホームページ
▽障害者雇用制度はこちらを参考にしました。
▽就労継続支援事業についてはこちらを参考にしました。
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