現代の女性を描く「アナと雪の女王2」感想&考察(ネタバレあり)

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特にものすごくディズニーファンというわけでもないんだけど、なぜか「アナと雪の女王」だけは1も2も映画館へ観に行きました。

(ちなみにお気に入りの作品は、アナ雪ではなくラプンツェルです。そういえば1ではこっそりゲスト出演していましたよね)

1を観たときにも、「そうか、昨今はお姫様の呪いを解くのは王子様の愛じゃないんだ」と衝撃だったのですが、2も予想の斜め上をいくストーリーでした。


今回は、エルサの魔法の謎に迫る、という予告編にどんなストーリーが待っているかなと気になって、ついに劇場まで行ってしまった。

 

前情報で、今作でもエルサにはパートナーは現れないというのはちらりと聞いていましたが。

アナ雪って、現代の(これからの)女性像を容赦なく描いているなあと思います。

というわけで、今回は2の感想を、アナとエルサのふたりの女性に焦点を当てて書いてみたいと思います。

 

▽予告編

 

※あくまで個人的見解です。

※映画のネタバレに触れています。

 

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アナとエルサが姉妹、ふたりであるということ。

1では、幼い頃にエルサの魔法が原因でアナが危険な状態になったことで、姉妹に溝ができてしまったところから物語がはじまりました。

記憶も忘れて自由奔放に育ったアナと、傷つけた記憶を抱えて内にこもりがちになったエルサ。

根底にはお互いへの深い愛情はあるのですが、気持ちはすれ違っていました。

 

1からそうなのですが、この姉妹はとことん対照的。

アナは、若くて明るいお嬢さんらしく、目先のこと(例えば恋)に夢中な、前向きを絵に描いたような女性。

エルサは、内省的で長女ということもあって責任感も強く、内に豊かさを秘めた女性。(この辺は、両親が早くに亡くなったので、次期女王という重圧もあったと思います)

 

エルサは、自分だけがみんなと違うということを常に抱えて生きてきました。

いちばんの理解者であった両親が、不慮の事故で亡くなったことで、もともとあった孤独がさらに強まった。

 

1で、雪山にひとりこもって「ありのままでいい」と歌ってみせて(2でこの時の自分を黒歴史のように思っているエルサがなんか可愛い)、意外とアナのほうが国はどうするのとリアリストで姉を説得して、最終的にこのふたりは和解して、国も氷が溶けてエルサの力は良い方向に導かれてめでたしめでたしになるんですが。

 

1から続いているであろう、この姉妹の対照的なテーマ。

アナは、現実を見据えて自分にできることをやろうとする。恋も成就させる。(アナにとって恋は生きる力)

エルサは、自分の内面(力、孤独)と向き合う。自分の居場所を手に入れる。

2もさらに、そのテーマが続いているんだなあ。

 

そして、これはもしかしたら、ちょっと極論かもしれないけれど。

現代の女性の置かれたテーマを表しているのかもしれません。

 

昔のディズニープリンセスが「王子様の力で幸せになる」という構図がオーソドックスであったとすれば、アナ雪は、アナでさえも、この構図には当てはまりません。

クリストフはそれなりに活躍しているし、大事な場面でアナを助けているけれど、昔のひとりで勇猛果敢にプリンセスのために立ち向かい、その結果として姫を手に入れる王子様という構図ではない。

 

アナ

わたしは、アナも大事な役割を担っていると思います。

ひとつめは、エルサの最大のストッパー、エルサのこの世界の”人”との繋ぎは、アナの存在。

アナがいるから、エルサはひとりどこかへ行ってしまう(内的にも外的にも)こともなく、現実に自分の足を下ろすことができる。

 

今作で、精霊という存在が出てきて、人間でありながら唯一魔法が使えるエルサは、そっちの世界に親和的です。でも、アナはそんなエルサを引き戻します。ちゃんと国のことも考えている。

逆に、エルサは長女だし、立場は女王なんだけど、1でも2でも、実はアナほどには国に執着がない。責任感はあるけれど、自分が引いてもいいのならさっと身を引くほどの儚さがある。

それは、たぶんエルサの人としての根源的な孤独感に通じているのだろうと思います(これについてはエルサのところで掘り下げます)。

 

つまりふたつめ。

この奔放なお姫様であるアナは、意外とリアリストです。

 

人と人との繋がりのなかで芽生える確かな信頼感をちゃんと持っている。

だから、彼女にとって恋はマストでもある。

それでいて、相手に依存しない強さも持っている。

 

実は国に対しての責任感は、エルサよりも強いと思う。それは、単に王族としての責任感ではなく、ほんとうに彼女はアレンデールという国を愛しているから。そこにいる、エルサやクリストフ、国民も彼女にとっては大切な存在だから。

 

アナ自身は魔法も使えないし、特に秀でた能力があるようには描かれていません。

でも、なにもできないけれど、それが彼女の持つ力でもある。

それはひとつめに挙げたエルサのストッパー然り、ピンチのときに自分から動く勇気。

彼女が動くから、クリストフも(おそらく周囲の人も)全力でアナを支えるわけです。

 

すっごいヒロイン。

そして最終的に、女王になります。

これは、ある意味で納得の結末。エルサよりも、アナのほうがアレンデールの女王にはふさわしいと思う。

 

でも、これが現代的というか、クリストフは晴れてアナと両思いになったわけですが、彼はアナが女王になっても、ずっとトナカイ乗りなんだろうなあと。(王様にはならない)

 

恋をして、結婚して、ゆくゆくは子どももできて(きっとアナは良いお母さんになります)、それでいながら自分のしたいことも実現する、そういった現代のパワフルな女性像を、アナは体現しているように思います。

でも、全部ひとりでやるのではなくて。周囲のサポートもありきで。

女王という責務も、きっと周囲の人が助けてくれるだろうと思う。さっきも書きましたが、アナは万能ではなくて、でもそれが彼女の持つ力なのです。

 

エルサ

エルサは、生まれながらにして「自分はみんなと違う」という宿命を背負った人です。

そして本人の性格も、アナとは正反対。自分の内面と向き合い対話する内向的な人だろうと思います。

 

そんなエルサにとっては、1も2も、「自分らしさとはなにか」の探求がテーマであったように思います。

アナのように恋や人との関係性のなかで自分を見出していくのではなく、自分の内にそれを見出していく。

 

だから、アナのように恋が絶対のテーマに挙がってこない。

逆にいうと、何でもかんでも恋に結びつけて女性は男性がいないと自己実現できないという発想自体が世の中がつくりあげた幻想でしょと、警鐘を鳴らしているようでもある。

 

2では、エルサが魔法を持って生まれた根源にまつわるお話が登場します。

「呼ばれる」という感覚自体が、彼女にしかわからないもので、その旅は途中まではアナたちも同行するけれど(それは結構重要なこと)、最終的にはひとりで立ち向かわねばならないものだった。

 

エルサは、圧倒的に孤独です。それは彼女のせいではない。

 

アナのような生き方は、エルサにはできない。(言葉を変えると、アナにもエルサのような生き方は、絶対にできない)

呼ばれた声に、彼女自身も応えたいという願望があるのです。未知の世界への探求は、彼女自身も希求している。それは、彼女が彼女自身の内面を掘り下げて、さらに解(ほど)けて花開いていく過程でもあるように思えます。

1でキュッと結わえていた髪をほどき、2ではさらにその三つ編みですらほどきます。

 

それは、一国の女王という立場からすると、どんどん離れていくことでもある。

でも、なんていうか、エルサ、すっごく素敵になりましたよね!

 

1よりも2で、彼女はもっともっと生き生きと輝きを増しました。

ああ、エルサは自分らしさをさらに見出したんだなあと。それは、女王としてではなく、エルサというひとりの女性として。

 

そして、精霊たちとともに住まう場所で、彼女は生きていくことになります。

最後に、精霊たちと駆ける彼女は、とってもワイルドで美しい。お城で威厳よくたたずんでいるよりも、ずっとずっとエルサはこっちのほうがエルサらしい。(エルサらしさがこういうところに現れていることを表現できたのも、2の功績)

 

で、肝心の国はどうするのというと、そこはアナがいるから大丈夫というこの構図も素晴らしい。

精霊との架け橋はエルサが担い、人との架け橋はアナが担う。

ふたりとも、ふたりいるから成り立つこと。

 

エルサは、男性がいないと幸せになれないというような、そういう次元ではないところで、ひとりの女性がその人らしく生きていく姿を表現されているように思いました。

別にエルサにパートナーがいなくていいというわけではないのだけれど。(それはまた別の話)

 

アナの方向性とは違う、女性のもうひとつの在り方が描かれているように思います。

 

結び

「アナと雪の女王」の原題は「FROZEN」で、このタイトルはとっても示唆的であるということを聞いたことがあります。

 

今回の考察は、わたしなりの視点で、かつ女性から見た視点です。

男性から見たら、また違った視点が浮かんでくるのだろうなあと思います。

 

最後に、松たか子さんのエルサの熱唱は今回も素晴らしかった。

神田沙也加さんのアナといい、日本語吹き替え版のこのタッグは最強だと思います。

基本的には、外国の映画は字幕で見る派なのですが(ラプンツェルも字幕で見た)、なぜかアナ雪に関しては、吹き替え版だなあと思います。

 

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