【HSPの本】「過敏で傷つきやすい人たち HSPの真実と克服への道」岡田尊司

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過敏で傷つきやすい人たち  HSPの真実と克服への道 岡田尊司

 

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はじめに

精神科医の岡田尊司先生が、これまでのHSP本とは違った切り口で書かれた本です。

HSP関連本といえば、日本では長沼睦雄先生や明橋大二先生がよく書かれていますが、このお二方はどちらかというとHSPを肯定的に捉えています。

△長沼先生のHSP本

△明橋先生のHSC本

 

3人とも医師ですが、岡田先生はバリバリの成人の精神科領域、長沼先生は脳神経畑出身の小児精神科を経ての成人・小児の精神科領域、明橋先生は児童精神科領域メインの心療内科医と、実は3人ともバックボーンがそれぞれ微妙に違います。

 

素人だと「みんなドクターだから一緒じゃん」と思うかもしれないけど、活動領域は似ているようで微妙に違うので(もちろん重なるところもあります)、これにHSPという超曖昧な概念を掛け合わせると、そりゃあ違った切り口は登場しますよね。

 

岡田先生の切り口について、わたしなりに想像してみる

岡田先生は、精神科医の切り口です。

ちょっとこれまで曖昧にされてきたHSPという医学用語にならない、でもなんか最近やや市民権を得てきたような曖昧な概念に、容赦なくメスを入れています。

 

たぶん、これはHSPの知名度が上がってきたことの功罪なんだろうな。

まだここでは取り上げていないんだけど、わたしは最近ちょっとモヤモヤとはしている。

巷でHSPのことを聞くことが、ここ1年でも増えました。ついにわたしも知り合いから「ミノリってHSPなんじゃない?」と言われましたよ。Yahoo!ニュースとかでも何回か取り上げられているのを見ました。

これはHSPのことが以前より社会的に認知されてきていると喜ばしい反面、単純に喜べない一面も生じます。

ものごとには必ず両面があるから。良い面もあれば、そうでない面も生まれます。

 

たぶん精神科に訪れる人のなかに自らHSPを名乗り上げる人が増えてきて、それに対して、精神科医はどう対応したらいいか困っているんじゃないだろうか。(※個人的な憶測です)

HSPについて高らかに認めている長沼先生のクリニックならまだしも、基本的にHSPは医学概念じゃないから精神科や心療内科で「あなたはHSPですね」とは絶対に言われません。何度もいうけどHSPって病気じゃないからね。生得的な気質だからね。

 

ただ、敏感さゆえに生きづらさを抱える人は、多くいると思います。

そういう人が、精神科や心療内科を訪れることは、よくあることです。(大変なときに、医療の力を借りることは、とても大切なことです)

 

そういう人のために、岡田先生は本書をあえて書かれたのかなと、想像しました。

というわけで、長沼先生や明橋先生に比べると、HSPへの切り口は鋭く厳しいものなのですが、同時に「曖昧にしないでしっかり考えなさい」と厳しさのなかにも温かさも混じっているようにも感じます。

特に、生きづらさというものが強く出ている人にとっては、良い指南をいただけるかもしれません。

 

本書の構成

第一章 「過敏性」とは何か
第二章 あなたの過敏性を分析する
第三章 過敏性のメカニズムと特性を知る
第四章 発達障害と感覚処理障害
第五章 愛着障害と心の傷
第六章 過敏性が体に表れる
第七章 過敏な人の適応戦略
第八章 過敏性を克服する
 

岡田先生はHighly Sensitiveを「過敏」と訳されています。

アーロン博士は心理学者なのでそこの曖昧さを指摘しつつ、医学領域から「過敏さ」を切り開いています。

アーロン博士の「ささいなことにもすぐに『動揺』してしまうあなたへ。」の第九章の「魂とスピリット」は、日本ではどう捉えられるか微妙なところかと危惧していたのですが、そこもちゃんと突かれています。これは文化差があって、日本ではスピリチュアルと聞いただけで拒否感を示す人もいます。

というわけで、岡田先生が「過敏さ」について独自に指標を立てられて、医学的な見地から、数字による検証もされて(エビデンスというやつです)、詳しく述べられています。

 

わたしも、岡田先生のチェックリストを試しにやってみました。

アーロン博士のHSPチェックリストや、デンマークの心理療法家イルセさんのチェックリストではわたしは高得点をキープしていますが(しているからいいというわけではないが)、岡田先生のチェックリストでは軽度でした。

これは、特に岡田先生の掲げているものが「生きづらさ」に焦点が当てられているからだと思います。

特に病理学的な指標は低得点でした。これは、昔に比べて自分が変わってきたことも影響しているなと思います。昔のわたしは、いまよりもっと生きづらくて、人の思いが怖かった。

 

そう、岡田先生は「過敏さ」ゆえに「生きづらい」人のために、本書を書かれているのです。

そういう人のために、ちゃんと知識を提供してくれているのと、第七章と第八章はとても具体的に有効な手立てを教えてくれていると思います。

 

ニワトリと卵

えーと、いままでのところ批判的な意見は避けてきたんだけど、あえてここはというところもちょっとだけ入れてみます。

 

「過敏だから傷つきやすいのか」、「傷ついているから過敏さが増しているのか」は、本書でもちょっと詰めが曖昧かなと思います。

アーロン博士のHSPは医学概念ではないから、敏感さと病理は直接は結びつかない。そこを岡田先生は曖昧すぎると苦言を呈しておられるんだけど、敏感さと病理を結びつけるとニワトリが先か卵が先かの曖昧さがどうしても生まれます。

 

発達障害でも、例えば杉山登志郎先生が「発達トラウマ障害」を指摘されています。

これは、虐待のようなトラウマ体験がもとで、脳がダメージを受けて発達障害の特性が色濃く生じることです。後天的な発達障害ともいわれます。

 

トラウマは、さまざまな二次障害を引き起こします。傷つきによって過敏さが増すこともあれば、逆に自分を守るために麻痺する(解離)こともあります。

単純に医学概念に結びつけて良いのか?   とも思います。

敢えて白黒つけず曖昧な立ち位置にしておくことも、それはひとつの捉え方としてありなんじゃないかとも思う。

 

ちょっとこのへんは、わたし自身の考え方もまだ固まっていないので、白黒つけたそうな本書の意義とはズレるかもしれません。

 

何が正しい?

岡田先生の切り口は、これまでのHSP本とは違った切り口でした。

「HSPの真実と克服への道」というサブタイトルは、ちょっと言い過ぎじゃないかと思いますが、かなり挑戦的な本でもあります。

でも、この流れ自体は、あっても良いだろうなと思います。

 

 

やっぱり曖昧なところも多分に含まれていて、誤解されることもあります。

アーロン博士が「それは生まれながらの敏感さから来ているのだ」と投げかけたのは、わたしは画期的なことだったと思います。

 

HSPについて、もっとよく考えていく必要があるかもしれません。

何が正しいのかは、わかりません。

でも、じゃあ「自分はどういう風に考えるか」はできると思う。

そういうことを考えるときに、本書は一石を投じています。

いろんな人のいろんな意見を聞きながら、「自分はどうか」を考えていきたいなとわたしは思います。

 

結び

わたしのなかでも、HSPをこれからどう考えていくかは、最近のテーマです。

まだ自分なりの現在の見解というものは、固まっていません。

もう少し考えてから、言葉にしていきたいと思います。

 

当然のように、今回わたしが書いたことも絶対的に正しいというわけではありません。

これはわたしの意見です。これから変わっていくことも、あるかもしれない。

 

なんかこういう言い方は好きじゃないんだけど、それこそHSPさんは「深くじっくり考えていくこと」が得意なはずです。

考えていきましょう。

 

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