2016年にはじめてHSPというものを知りました。
何気なく立ち寄った本屋さんで、たまたま見つけたのが本書。
精神科医の長沼陸雄先生が書かれたHSPについての本です。
帯に書かれた『“神経質”“引っ込み思案”“傷つきやすい”生きづらいのは弱いからじゃない 5人に1人が持つHSP気質(とても敏感な気質)を生きる勇気に変えるヒント』。
(改めて見るとなんて秀逸な帯なんだろう!)
パラパラと本屋で立ち読みしたら、「なんだこれ、ものすごく自分に当てはまるじゃないか!」と衝撃を受けました。
普段は本を買うのにとても慎重なのに、このときはその場で買って、家に帰るのを待たずに近くのカフェで一気に読み切ってしまいました。
当時の職場で、しんどさやうまくいかなさを感じていました。
その理由の半分以上は自分のほうに責任があるんだと思っていて、とてもしんどかった時期でもありました。
でもうまくいかなさのほとんどは、わたしの能力云々というよりも、HSP気質が原因だったのです。そして、HSP気質だからしんどくなりやすいこともわかってきました。
それまでにも、
・内向的な自分の性格
・キャパが大きくないのに引き受けやすい
・それ故キャパオーバーでボロボロになりやすい
・周囲を気にしやすいこと
・一人の時間が必要なこと
・早く急かされるより時間に余裕がある方が結果的にパフォーマンスが上がって良い仕事ができる
と、自分の傾向は少しずつわかってきたのですが(なんかHSP特性のオンパレードですね!)、一方でそんな自分に憤りを感じることもあったんですね。
なんでわたしは、他の人と同じように仕事ができないんだろう。
他の人ができていることが、できない自分はダメなんじゃないか。
HSP気質は文化や国に違いはなく、約5人に1人と言われています。
そして、わたしはずっと5人の4人側になろうとがんばってきたのですね。
そうしないとこの世の中ではやっていけないとも思っていました。
そして、当然のようにそんな風にはなれないので、余計に落ち込んでいました。
そしてこの本と出会ったのです。
「あ、このわたしでいいんだ」
ひとことで言い表すと、そんな感じです。
肩の力がストンと抜けました。
自分のそういう性格がしんどい子だなあと厄介に思っていたのが、ちゃんと肯定してもらえた感覚です。
HSPについては、アメリカのエレイン・アーロン博士が第一人者です。
しかし、アーロン博士の本は内容が濃密な分、分厚くて読みづらく、かつ文化差もあります。
その点、長沼先生の本書は活字も大きく内容も比較的シンプルで、HSPを知る初めての方にオススメだと思います。